ソーシャルラーニングとは、SNS 、YouTube、Skype、LINE、英語学習サイトといったソーシャルメディアを学びのツールとして活用する学習システムの総称です。私は英会話習得には最も適した学習システムだと思っています。
学校における学習と違うのは、ソーシャルラーニングとは先生が生徒に教えるのではなく、学習者がお互いに学び、教え合う事です。先生が生徒に教えるのは1対Nの関係ですが、ソーシャルラーニングではN対Nの関係となり、多くの人との学習が可能であり、これがソーシャルと呼ばれる理由です。
教えたり、教えられたり
以前は先生しか知らない知識を教えるのが学校でした。しかし、現在では学校へ行かなくて、先生から教えてもらわなくても、多くの事を学ぶ事は可能です。
しかし、ソーシャルラーニングでも先生から学ばないから何もしないのではなく、人間は学習しなければ覚えません。その理由は言語の習得は反復練習でしか学習することができないからです。
学習が難しいのは脳が基本的に単調な反復練習を嫌い、新しい出力の方法を作る事に興味を持つからです。脳は反復練習を嫌いのですが、その反復練習でなければ学習つまり忘れないように覚える事はできません。
英会話の場合でも反復練習は必須の条件です。私の教えた経験からでは、表現集で覚えるよりは対話集で覚える方が効果的です。それは対話集の方が反復練習は楽しくなるからです。ソーシャルラーニングが反復練習を楽しい体験へと変えてくれるのです。
ソーシャルラーニングを対話練習に使えば、英会話学習の場合には練習量が何倍にも増え、英語文化圏に留学する以上の効果を生むこともできます。
その対話集の練習、つまりロールプレイをグループでやることはより楽しくなります。練習する相手が自分より上手でも、下手でも楽しいもので、良い練習となります。
英語学習者間の練習
プロのボクサーになる場合に初期の段階からプロのボクサーと練習するのは良い練習になりません。パンチをもらうだけで、相手にパンチを当てるチャンスすらありません。練習生のボクサーなら自分のレベルより、やや強い人、やや弱い人と練習する方が楽しいのです。
自分もパンチを受けたり、パンチをくらわせたりする事でボクシングの練習が楽しくなります。英語も同様に英語学習の初期にネイティブと話すのは良い練習になりません。ネイティブは英語使いのプロであり、学習初期の段階ではほとんど相手になりません。
英語学習初期の段階ではネイティブはプロのボクサーに相当します。私も20代の前半に米国の大学に留学して、男子寮で生活しました。幸いにもプロのパンチをもらいながらなんとか話す事ができるようになりました。
しかし、日本人留学生の多くはそのパンチに耐えられずに途中で挫折した人もいました。多分、今でもそのような人が多くいると思われます。
ワーキング・ホリデーを使い1年間の英語文化園で生活しても、英語が話せるようになるのは僅か数パーセントしかいないそうです。いかに英語学習初期の段階に英語文化圏で生活するのが困難であるかが分かります。しかし、お互いが英語学習同志であれば、助け合う事ができます。
私は将来に英語のソーシャルラーニングが英会話習得の切り札になると思っています。その理想的な形を探求したいと思っています。
このソーシャルラーニングを実践しているのが英語学習者の広場です。
英語学習者の広場
桜井恵三
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